路線図と諸元


 まず、一番最初に「富山軌道線」とは一体どんな路線であるのかを知っていただくために、路線図を挙げて概略を説明させていただきます。

[電化方式]
直流600V

[軌間]
1062mm
(3ft6in)

[営業区間]
南富山駅前〜富山駅前〜大学前
(本来は本線・支線・安野屋線・呉羽線の4路線)

[営業距離]
6.4km

 ……とまあ、こんなところです。
 営業距離6.4kmといえば長くはありませんがそこそこというところで、こじんまりとしています。昔と比べると半分くらいになっていますが、考えようによってはこれが適正サイズ、と言えなくもないと思います。
 運賃200円は少しお高いですが、今はどこも苦しいですからまあ仕方ないでしょう。それに、多少高くてもみんな乗りますからね。何せ、2つの系統が重なる南富山駅前〜富山駅前間は日中5分毎と都電荒川線も真っ青の頻度ですから、信頼性は非常に高いです。
 よく地方都市だとバスが電車を完全に追いやってしまうか、そうでなくともバスの方が優勢だったりすることがあるんですが、ここでは電車の方が上ですね。どうやら公安委員会が軌道敷への車輛立ち入りを認めていないということの他に、駅前から出るバスのルートと電車のルートが互いに重ならないようになっていることもあるようで、中心部や南部は電車、郊外や電車のサポートできない大泉地区や不二越地区などはバスと、完全な住み分けが出来ています。
 そういうことを考えると、将来かなり有望な路線だと思います。実際、地鉄は新車を作ったり電車接近表示機を設置したりと、軌道線に鉄道線以上にお金をかけていますしね。富山県はマイカー所有率日本一なんてデータもあり、将来的に不安がないわけではないようですが、ここまでの地位を築き上げたからには、これからもがんばってもらいたいものです。


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